こんにちは、風子です。
あなたは今、心が疲れていませんか? 朝起きるのがつらい、何をしても楽しくない、そんな日々を過ごしていませんか?
私もそうでした。
36歳でうつ病を発症し、毎日泣きながらベッドから起き上がれない日々。 死を覚悟したこともありました。
でも今、こうしてあなたにお話しできています。
私を救ってくれたのは、海に沈む夕日と、温泉でした。
あの日、妹が連れ出してくれた場所
「お姉ちゃん、温泉に行こう」
ある朝、妹が突然そう言いました。 私は首を横に振りました。外に出る気力なんて、とてもなかったから。
「環境を変えよう。それが最後の希望だから」
妹の目には涙が浮かんでいました。 半ば強引に車に乗せられ、向かった先は青森県深浦町。
黄金崎不老ふ死温泉
日本海に面した、夕日の名所として知られる温泉でした。
波打ち際の露天風呂で、私は泣いた
黄金崎不老ふ死温泉の露天風呂は、まるで海に浮かんでいるかのような造りです。
ひょうたん型の湯船は、波打ち際にぽっかりと作られていて、満潮時には波しぶきがかかるほど海に近い。360度、何も遮るものがない、ただ海と空だけの世界。
震える足で、そっと湯船に入りました。
温かいお湯が、冷え切った体を包み込んでくれる。 塩分が強い少し塩辛い湯は、まるで海に抱かれているような感覚でした。
そして、夕日が。
ゆっくりと、本当にゆっくりと、水平線に向かって沈んでいきます。
オレンジ色の光が、波に反射してキラキラと輝いて。 空と海の境界線が曖昧になって、世界全体が黄金色に染まっていく。
「ああ、きれいだな」
どのくらいぶりだろう。 そんなふうに、何かを「美しい」と感じたのは。
涙が出ました。 でも不思議と、それは温かい涙でした。
まだ、私の心は生きている。 美しいものを美しいと感じられる心が、まだ残っている。
その事実が、小さな希望の光となって、私の中で灯りました。
黄金崎不老ふ死温泉の情報
黄金崎不老ふ死温泉 アクセス情報
住所:〒038-2327 青森県西津軽郡深浦町大字舮作字下清滝15
日帰り入浴:9:00~19:00(最終受付30分前まで)
※繁忙時期(4月中旬~8月末までは8:00~20:00まで営業)※混雑時入場制限あり
料金:大人1,000円、小学生500円(現金支払いのみ)
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(美人の湯)
安心してください。青森まで行かなくてもいいんです

私を救ってくれたのは、確かに黄金崎不老ふ死温泉でした。
でも、あなたが今すぐ青森まで行く必要はありません。 心が疲れ果てている時、遠出なんてできませんよね。私もそうでしたから、よくわかります。
大切なのは、夕日と温泉が持つ、不思議な癒しの力。
それは、あなたの近くにもきっとあります。
温かいお湯に身を委ねながら、ゆっくりと沈んでいく太陽を眺める。 ただそれだけで、張り詰めていた心が、ふっと緩んでいく。
あの日から私は、日本各地の夕日が見える温泉を訪れるようになりました。 そして気づいたんです。
どの温泉にも、それぞれの美しさと、癒しの力があることを。
日本各地の美しい夕日が見える温泉
あの日の体験から、私は夕日の見える温泉を訪れるようになりました。日本には、心を癒してくれる素晴らしい温泉がたくさんあります。
夕日ヶ浦温泉(京都府)|その名の通りの美しさ
京都府京丹後市にある夕日ヶ浦温泉。
初めて訪れた時、「なんて素直な名前なんだろう」と思いました。 そして実際に見た夕日は、名前以上の美しさでした。
2023年の「温泉総選挙」絶景部門で第1位に選ばれたこの温泉地は、「日本の夕陽百選」にも選ばれています。
ビーチには「ゆらり」というブランコがあって、夕日をバックに座ると、まるで絵本の中にいるような気分になります。子どものように、ただ揺れているだけで、心が軽くなっていく不思議。
泉質は低張性弱アルカリ高温泉。 お肌がつるつるになる「美人の湯」としても知られていて、心も体も、優しく包み込まれるような温泉です。
アクセス:京都丹後鉄道「夕日ヶ浦木津温泉駅」から車で約5分
西伊豆・土肥温泉(静岡県)|富士山と夕日の奇跡
静岡県の西伊豆は「夕陽日本一宣言」をしているほど、夕日に自信を持つ地域です。
最初は「そんな大げさな」と思っていました。 でも、土肥温泉で見た夕日は、本当に日本一かもしれないと思わせるものでした。
駿河湾に沈む夕日。 そして運が良ければ、富士山のシルエットがそこに重なります。
「大江戸温泉物語 土肥マリンホテル」の展望風呂から見たその光景は、まるで誰かが計算して作った完璧な構図のよう。楽天トラベルの「夕日温泉宿ランキング」で第1位に選ばれたのも、納得でした。
静岡は東京からも近いので、「ちょっと疲れたな」と感じた時、ふらっと行ける距離なのも嬉しいですね。
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からバスで約50分
瀬波温泉(新潟県)|日本海の素直な美しさ
新潟県村上市の瀬波温泉。
ここで見た夕日は、飾らない、素直な美しさでした。
日本海の水平線に、ただまっすぐに沈んでいく太陽。 邪魔するものが何もない、シンプルな美しさ。
「汐美荘」の露天風呂に浸かりながら見た夕日は、まるで時間が止まったかのようでした。 季節によって沈む位置が変わるので、何度訪れても新しい発見があります。
冬の日本海は荒々しいイメージがありますが、夕日の時間だけは不思議と穏やかになることが多いんです。 まるで、一日の終わりに、海も一緒に深呼吸をしているみたい。
アクセス:JR羽越本線「村上駅」から車で約10分
堂ヶ島温泉(静岡県)|島影と夕日の芸術
西伊豆の堂ヶ島温泉は、リアス式海岸が作り出す複雑な地形が魅力です。
海に浮かぶ島々のシルエットと夕日のコントラスト。 それは、自然が描く水墨画のような美しさ。
「堂ヶ島アクーユ三四郎」で体験した、干潮時のトンボロ現象と夕日の共演は忘れられません。 普段は離れている島が、干潮の時だけ陸続きになる。 その瞬間に沈む夕日を見ていると、「つながること」の奇跡を感じずにはいられませんでした。
一人で訪れても、不思議と寂しくない。 自然が、静かに寄り添ってくれているような、そんな温泉です。
アクセス:伊豆急下田駅からバスで約90分
和倉温泉(石川県)|能登の優しい夕暮れ
能登半島にある和倉温泉。
老舗旅館「加賀屋」の露天風呂から見た七尾湾の夕日は、とても穏やかでした。
内海だから、波が静か。 夕日が海面に映って、まるで海に二つの太陽があるみたい。
ここの夕日は、激しさより優しさ。 静かに、そっと、一日を終えていく。
そんな夕日を見ていると、「無理に頑張らなくてもいいんだ」と、自然に思えてきます。
アクセス:JR七尾線「和倉温泉駅」から車で約5分
夕日と温泉を、心の薬にするために
私が実際に体験して学んだ、小さなコツをお伝えしますね。
いつ行くか
夕日の時間は季節で変わります
- 夏(6-8月):19時頃が夕日タイム。一日の疲れを癒すのにぴったり
- 冬(12-2月):17時頃。早めの時間なので、日帰りでも楽しめます
- 春と秋:空気が澄んでいて、一番きれいに見える季節
どんな日に行くか
完全な快晴じゃなくても大丈夫。 むしろ、少し雲がある日の方が、ドラマチックな夕日になることが多いんです。
雲が夕日に染まって、空全体がキャンバスになる。 そんな日に出会えたら、本当にラッキー。
心の準備
これが一番大切かもしれません。
スマートフォンは、できればお部屋に置いて。 写真を撮りたい気持ちもわかりますが、まずは自分の目で、心で、感じてみてください。
深呼吸をして。 ゆっくりと湯に浸かって。 ただ、夕日を眺める。
何も考えなくていい。 ただ、「きれいだな」って思うだけでいい。
その瞬間が、きっとあなたの心に、小さな光を灯してくれるはずです。
あなたは、一人じゃない

黄金崎不老ふ死温泉で見た、あの夕日。
それは確かに、私の人生を変えてくれました。
でも、本当に私を救ってくれたのは、夕日だけじゃありません。 妹の優しさ、医師の治療、そして時間。 すべてが重なって、今の私があります。
温泉は魔法の薬じゃない。 でも、あなたの回復を、そっと後押ししてくれる。
もし今、あなたが暗いトンネルの中にいるなら。 出口が見えなくて、苦しくて、泣きたくなっているなら。
まずは、お医者さんに相談してください。 そして、体調が許すなら、夕日の見える温泉に行ってみてください。
遠くじゃなくていい。 有名じゃなくてもいい。 あなたの近くにある、小さな温泉でいい。
夕日は毎日沈みます。 そして必ず、次の朝が来ます。
その当たり前の営みの中に、生きることの美しさがある。 そのことに気づけた時、きっと何かが変わり始める。
あなたは、一人じゃありません。このブログを通じて 一緒に、一歩ずつ、歩いていきましょう。
全国の精神保健福祉センター:こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
